麦の家研修会のお知らせ

                                                                                      2017.1.25
中川村総合事業に於けるA型サーヴィス従事者の養成と研修計画の実施について
                                                                                                                        理事長  松本栄二
                                                                                                                    
                                        養成と研修計画の目的

 先般、中川村当局は、村内に於ける小地区に基づく行政計画の実施に向けて地区実態調査をしました。変化し続ける構造と共に、各地区に見られる高齢化率と介護率とが必ずしも同じ傾向にないこと、特に高齢化率が村内に於いて最も低いA地区に於いて介護率が村内第1であること等、地区による実体に相違の多い事を公表しました。
 この同一村内にあっても地区毎に多様化している小地域構造を踏まえ、其処に住む人々の社会的ニーズと共に、当該地区に見られる生活構造の独自性に基づく地区福祉(スモール・コミュニティ・ケア)に取り組む能力ある人材を開発がすることこそが急務と考えます。
 本養成・研修講座は、地区福祉に取り組む介護職員、具体的には在宅訪問サーヴィスを専門とする介護職者=A型サーヴィス従事者の養成・研修を目的としています。
 尚、その講座内容については、社会福祉法人麦の家が永年取り組んでまいりました地域密着型介護サーヴィスとして、認知症ケアの考え方に基づく方法・内容を中心にカリキュラムを組んでいます。人間の尊厳性に基づく一人の”ひと”を尊重するという価値観の再確認を、介護実践すべての『初めて』とする当事者中心の介入と言えましよう。
 具体的には、①入居利用者との介護実践を通した信頼関係樹立を核とし、②その家族集団の絆の再構築を図り、更にその延長線上にある③周辺地域における相互扶助の精神を確かめ合い、④自分たちが住む地区が、そこに住むすべての人々が共に支えあう”美しき里”、居場所つくりに向けての決断を動機づけることを目指す講座となりますよう願う次第です。
 受講する方々と共に話し合い、地区福祉についての考えや働きかけについて共有するものにしたいと思うのです。

 この養成講座は中川村独自の事業として、村の補助金により開設するものです。
 
 以下の場合、受講料は無料になります。
  ①中川村住民が受講する場合
  ②中川村介護事業所ですでに働いている者
  ③本講習講座の受講後村の事業所に就職することが決まっているもの。
他市町村に居住地を持つ者の受講については受講料として5000円が求められる。              
  
     A型サーヴィスに従事する介護者養成カリキュラムについて
Ⅰ.社会保障.社会福祉.及び介護保険等諸制度の仕組みの概要と諸制度間関係について
  1)A型サーヴィスの目的、自立支援についてその考え方と方法、対象となる
  被保険者、保険料負担割合サーヴィスの種類とその内容そして利用手続き。
  2)介護予防、日常生活支援総合事業
  3)緊急時の対応について…職場に設けられているマニュアル以外の対応等
     についてその心得 
  
Ⅱ.介護従事者に求められる基本的知識、技術及び職業倫理について
1)ヒューマン・サーヴィスを職業とする介護福祉に於ける信頼関係
  (ラポール)の構築について
 ①クライエント/ユーザーとは 
 ②介護の場としての訪問する家(空間・時間・家族の人々)とは
 ③社会的=人的資源について  ④ケアワーカーとは
 ④地区・むらの生活様式としての文化(身だしなみ.清潔.衛生.健康等習慣)
2)A型サーヴィスとそのサーヴィス内容について
 ①公的サーヴィスに従事する専門化された職業者が遭遇するディレンマについて
 ②社会的二ーズとしての在宅ケアを目指す訪問サーヴィスとは
 ③社会的サーヴィスとしての身体介護(フィジカル・ケア)と生活援助
 (ソーシャル・ケア)とは

Ⅲ.訪問ケア・ワーカーとクラエイント/ユーザーとの関係樹立
1)利用当事者、家族の人々及びその周辺地域の人々と関係(接し方)について
 ①クラエイント=ワーカー間のコミュニケーション構造(知識・技・倫理)
     について
 ② 職業倫理としての守秘義務と情報の共有について
 ③ 人権の尊重と寄り添うケアに於ける人間の尊厳と一人のひとの尊重
    (その根拠)についての再確認
2) 高齢期を生きるとは・・・高齢とは加齢であって老化ではない
 ① 死と生について
 ② 高齢期に見られる身体・こころ・社会・経済及び文化的変貌について
 ③ 高齢者によく見られる疾病とその特徴
   身体的変化と生活リズムの回復から自立域の拡大に向けた介護について
 ④ 高齢者のための国連5原則・・・自立、参加、ケア、自己実現、尊厳と
   エンパワーメントについて

 付則 講義と演習 

Ⅳ.スーパーヴィジョンについて

 *日時と時間割*

 時間:午後6:00~9:00

 内容:上記カリキュラムを参照のこと
                  
2月27日(月)Ⅰの1)2)3)  担当:松本.片桐     
             
2月28日(火)Ⅱの1)2)    担当:松本.山名.田中

3月  6日(月)Ⅲの1)の①②③  担当:松本.山名.田中    
             
3月  7日(火)Ⅲの2)の③    担当:片桐

3月 8日(水)Ⅲの2)の①.②.④ 担当:松本.山名.田中  


*スーパービジョン
3月18日(土)午後1:00~5:00  Ⅳ 担当:福山.松本
3月19日(日)午前9:00~12:00 Ⅳ 担当:福山.松本
       午後1:00~5:00  Ⅳ 担当:松本

          
  
①スーパーヴィジョンの受講は自由参加とする。
 参加者は口述記録(対職員乃至クラエイントとの10分前後の面接テープを
    起こしたもの)の提出を3月10日までにした者に限る。
②本講習会には上記カリキュラムに加え、実習が課せられる。
 実習(21時間スーパーヴィジョンを含む)は受講生の申し出、希望日時に
   より行う。講習担当者田中に希望日時を申し出る事。
③講師紹介
 福山 和女(ルーテル学院大学名誉教授)
 松本 栄二(上智大学名誉教授・日本認知症ケア学会功労賞)
 片桐千穂美(中川村地域包括支援センター主任介護支援専門員)
 山名 敦子(元立正大学社会福祉学部教授)
 田中美保子(社会福祉法人麦の家ホーム長・認知症ケア上級専門士)


 
 




      
    
   





掲載日:2017/01/26 トップページ > 報告 > 訓練・研修事業 > 麦の家研修会のお知らせ

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